過去の災害について

2004年(平成16年)9月7日 台風第18号

 

概要

 
 
 平成16年9月7日に広島県を襲った台風第18号は,1週間前の台風第16号による雨により地盤が緩んでいたため,西部を中心に大雨となったことから多数の土砂災害を発生させ,また,南よりの暴風による吹き寄せ効果や高波,異常潮位が加わって,西部の沿岸を中心に高潮,高波の被害を引き起こしました。
 この台風により,「芸北」の加計では1時間に47mm,「広島・呉」の廿日市津田では1時間に41mmを記録するなど,県西部の山沿いや山口県境寄りを中心に激しい雨を観測しました。また,台風の進行方向の右側となった広島県では,西部沿岸で20m/s以上の非常に強い風が吹き,その他の地域でも10m/s以上のやや強い風が吹きました。中でも,「広島・呉」の広島では観測史上第1位となる南の風60.2m/sの最大瞬間風速を,また,観測史上第3位となる南の風33.3m/sの最大風速を観測するなど,猛烈な風が吹きました。さらに,台風の接近と満潮時刻が重なり,小潮ではありましたが,南よりの暴風による吹き寄せ効果や高波,さらには夏以来の異常潮位(平均海面より10cmほど高い)が加わって,西部の沿岸を中心に高潮,高波による甚大な被害が発生しました。
 具体的には,この台風による人的被害は死者5名,負傷者は142名で,住家の被害は全壊・半壊231棟,一部損壊16,582棟,床上・床下浸水3,988棟,体育館の屋根が吹き飛ばされるといった学校施設の被害は約700校,宮島の厳島神社をはじめとした文化財の被害も42箇所,米,梨,りんごや柑橘類などの農作物への被害も莫大となり,水産業関係でも漁港施設の崩壊やかき筏の流出といった大きな被害を生じ,さらには電力,水道や通信設備などの被害も多数にのぼり,県西部を中心に甚大な被害となりました。
 
 
被害種別 数量 被害種別 数量
死者 5人 床上浸水 860棟
負傷者 142人 床下浸水 3,128棟
家屋全壊 27棟 橋梁流失 箇所
家屋半壊 204棟 道路損壊  140箇所
家屋流失    
 
 

気象状況

 
 
 8月28日9時にマーシャル諸島付近で発生した台風第18号は,発達しながら太平洋高気圧の南の縁を西北西から北西に進みました。9月5日18時には沖縄本島付近で925hPa,中心付近の最大風速は45mと大型で非常に強い(最盛期)台風になりました。その後,6日夜には名瀬市北西海上(東シナ海)で進路を北東に変え,7日9時半頃には中心気圧が945hPa,中心付近の最大風速は40m/s,風速15m/s以上の強風域の半径は東側560km,西側440kmと「大型で強い」勢力を保ったまま長崎市付近に上陸しました。
台風は上陸後も勢力をほとんど弱めることなく速度を速め,7日12時頃には北九州市付近を通過し,7日の昼過ぎから夕方にかけては山陰沿岸を時速60kmから70kmの速い速度で北東に進みました。
 8日1時に青森県の西海上に進んだ頃には時速90kmに達しましたが,その後,台風は速度を次第に緩めて8日15時に宗谷海峡付近で温帯低気圧に変わりました。
 台風の接近に伴い,前日(6日)深夜から全県で降っていた1時間に1から2mm程度の弱い雨は7日になっても降り続いていましたが,台風本体の雨雲がかかり始めた7日10時頃には「芸北」や「広島・呉」の県西部で雨が強まり,また12時頃には「備北」,「東広島・竹原」,「福山・尾三」の県東部でも雨が強まりました。
 「芸北」の加計では7日13時50分までの1時間に47mm,「広島・呉」の廿日市津田では13時40分までの1時間に41mmなど,県西部の山沿いや,山口県境寄りを中心に激しく降りましたが,16時過ぎには1時間に5mm程度に弱まり夜遅くには概ね止みました。
 7日の降水量は,「芸北」の八幡で154mm,廿日市市津田で108mmなど,西部を中心に100mm以上,多い所で150mm以上の大雨となりました。
広島県は7日9時頃に台風の暴風域に入り,10時には広島で東南東の風10m/sが吹くなど西部沿岸部から風が強まってきました。台風は14時頃に広島県に最も接近し,台風はこの前後の13時から16時頃にかけて山口県日本海沿岸から山陰沿岸を時速55kmから65kmの速い速度で北東に進みました。
 台風の進行方向の右側となった広島県では13時頃から西部沿岸で20m/s以上の非常に強い風が吹き,その他の地域でも10m/s以上のやや強い風が吹きました。中でも,「広島・呉」の広島では14時20分に観測史上第1位となる南の風60.2m/sの最大瞬間風速を観測し,14時40分には観測史上第3位となる南の風33.3m/sの最大風速を観測するなど猛烈な風が吹きました。20m/s以上の非常に強い風は16時頃まで続きました。
台風が北東方向に遠ざかるとともに,広島県は7日20時に台風の暴風域から抜け,7日22時には強風域からも抜けました。このため,19時には概ね12m/s以下に弱まりました。
 また,台風の接近と小潮ではありましたが広島県沿岸の満潮時刻(広島港15時52分,糸崎港16時55分,福山港17時20分)が重なり,南よりの暴風による吹き寄せ効果や高波,さらには夏以来の異常潮位(平均海面より約10cmほど高い)が加わって西部の沿岸を中心に高潮,高波による甚大な被害が発生しました。
 
 

平成16年台風第18号の経路図

  平成16年台風第18号の経路図 

   

市内の冠水状況(三原市尾道糸崎港松浜地区)

  市内の冠水状況(三原市尾道糸崎港松浜地区)
   国宝厳島神社平舞台等の被害状況(佐伯郡宮島町)
   国宝厳島神社平舞台等の被害状況(佐伯郡宮島町
   国宝厳島神社祓殿の被害状況(佐伯郡宮島町)
  国宝厳島神社祓殿の被害状況(佐伯郡宮島町

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